手作り食

完全食の犬猫の手作りごはんは作ることができるのでしょうか?

8月がいつのまにか終わり、ついに9月が始まりましたね。

まだまだ暑いので

獣医オオハシ
獣医オオハシ
お散歩の際やお出かけの時はちゃんと気をつけてくださいね

と毎日口をすっぱくして言う秋の始まりです。

さて「完全食」と聞いたことはありますか?
あまり聞きなれない言葉かもしれません。

完全食の定義はいろいろありますが一般的にはその食事と水だけでその生物の健康を維持することができる食事のことを言います。

最近出ている完全食としては日清製粉が作っているオールインシリーズがあります。パスタとヌードル、つまりスパゲッティとラーメンですが皆さんご存知ですか?

私はまだオールインシリーズを食べたことはありません。
しかしレビューを見ているとだんだんと味が改良されている努力が見られますし、なにより暑くて食欲がない夏には1日一回でも完全食を摂ることが手軽にできるというのは大変便利なことかなと思います。
オールインヌードルは特に人気があるようですが、一食あたり400円から600円というのはなかなかにコストが高いような気もします。

標準で一食あたりワンコイン以下、つまり500円を切ることができればまとめ買いをする人もけっこういるのではないかなと期待しています。

さて犬や猫のペットには完全食というのはあるのでしょうか?
実は一般的に与えられているペットフードというのは水とそれだけで健康を維持することが目的で作られている、つまりが完全食なのです。

完全食が一般的な犬や猫において今手作り食が見直されているのはややおかしなことかもしれません。
しかし実際ペットフードに比べ手作り食に優れている面もあるためペットフード以外の完全食を検討してみる価値はあると思います。

今回は犬や猫の手作り食をしたい方のためにペットフード以外の完全食の作り方を検討してみます。

完全食と準完全食の違い

完全食は栄養が過不足なく完璧に揃っているもの、準完全食は完全食にちょこっと足りないものという定義でしょうか。

自然界の完全食とは

今のところ自然界に完全食となり得る食材はありえません。まあ分かっていないだけでアマゾンの奥地だったりとかヒマラヤの高地に絶対ないとは言い切れませんが、少なくとも私たち一般庶民が手に入れることができるような市場には出回っておりません。

自然界の準完全食とは

自然界での準完全食と言われる食材はいくつかあります。その準完全食をいくつか組み合わせることにより、より完全食に近づけるというのが一番合理的なやり方ではないでしょうか。

有精卵であれば温めてあげれば完全な生物つまりひよこが出来上がるぐらいですのでかなり完全食に近いものであります。栄養素として足りていないものは、水溶性ビタミンであるビタミン C また不溶性繊維、可溶性繊維の3点です。
この3点であれば比較的取り入れやすい食材がたくさんありますので、例えばそういったものを中に入れたオムレツだったりですとか、ゆで卵と一緒に食べたりまたは卵焼きにしたりすることで、簡単に犬や猫用のご飯を作ることができると考えられております。値段も安価なため非常に使いやすい準完全食ではないでしょうか。

 

牛乳

牛乳は完全栄養食品ではありませんが、栄養バランスに優れた準完全栄養食品です。たんぱく質、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミンをバランス良く含んでいます。特にカルシウムやリン、ビタミン B 群は含まれている量が多いため、牛乳を飲むことで1日の必要量のかなりの部分を補うことができると考えられています。
牛乳にほとんど含まれていない成分は食物繊維です。また、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、鉄分なども少量です。

 牛乳や乳製品はビタミンCや食物繊維がたくさん摂取できる果物や野菜を一緒に食べるといいでしょう。

玄米

玄米は食物繊維を豊富に含み(白米のおよそ4.6倍)、さらに血行をよくしてくれるビタミンEや糖質をエネルギーに変えるビタミンB1、代謝に関連するビタミンB2など、さまざまな栄養素をバランスよく含んでいます。

玄米に少ない栄養素はビタミンCやナトリウムです。また食物繊維が多いことで便の状態が安定しないことがありますの。水分を多く含ませ、柔らかく炊くことをおススメします。また白米や他の具材と混ぜて炊きこみごはんにすると栄養をおいしくとることができます。

大豆

大豆イソフラボン、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、鉄など)、食物繊維などを多く含み、またたんぱく質が植物の中では圧倒的に多く「畑の肉」と言われます。またその加工食品である納豆や豆腐も同じような成分が含まれています。

残念ながら、ビタミンAやビタミンC、抗酸化作用のあるβカロテンなども含まれていません。
ビタミンや抗酸化物質を補うために野菜と一緒に納豆を焼きのりで巻いた、簡単納豆巻きがおすすめです。焼きのりにはビタミンAとC、βカロテン、カルシウムといった成分が多く含まれています。

いも類

人の歴史的に、飢饉や戦時中など、食糧難の際小麦や米が育たない痩せた土地でも育つジャガイモやサツマイモは多くの人を救いました。
基本的にいも類は、エネルギー源となる糖質を多く含み、ビタミンやミネラル、そして食物繊維も豊富です。「準完全栄養食品」と言われています。
また、いも類にはビタミンCも豊富に含まれます。一般的にビタミンCは熱に弱いと言われますが、いもに含まれるものはでんぷんに保護されるため熱に強く、加熱しても壊れにくい特徴があり、蒸したり焼いたりすることで効率的に摂取することができます。

バナナ

バナナには、数種類の炭水化物(糖質)果物の中で最も多く含まれており、ブドウ糖、果糖、ショ糖という3種類の糖質が含まれています。
またコレステロールの低下、大腸ガンや心臓病、糖尿病などの成人病を予防する効果があることが分かってきたことから”第6の栄養素”として注目されている食物繊維も多く含んでいます。炭水化物が体内で代謝されてエネルギーになる時に必要なビタミンB1やB2、そして多くのカリウムとマグネシウムが含まれています。
タンパク質やカルシウムリンなどは不足しがちなため牛乳やヨーグルトと一緒に食べることでより完全食に近いバランスとなり得ます。

 

 

 

 

 

私たちの身近にある食材が実は準完全食であることがおわかりだったでしょうか?どれも近くのスーパーで気軽に買えるものばかりです。
あまり難しいことは考えずいくつか組み合わせ、そこに野菜やお肉をトッピングすることで美味しい手作り食が出来上がるのではないでしょうか。
また毎回毎回完全食を食べなければ急に具合が悪くなるということはありません。

一つの食材にこだわらずいくつか組み合わせることで自然と栄養バランスは取れてくるものです。皆さんがいつも作られている人の献立と同じですね。

本日は以上です。

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