思いがけず大雨、大風の一日でした、最近忙しく天気予報を見そびれていたので、台風がまたきたのかと勘違いしていました。
さて、最近は犬や猫も歯への意識が高まってきていますね、歯石除去を希望される飼い主さんも多いです。
そんなおひとりにきかれたのですが
ポリリン酸ナトリウム・・・食品添加物のあれ(一応食品衛生学は勉強しました)ですね。
どうしてそんなことを急にきかれたのかと思ったら、最近食べ始めたごはんに歯石予防ということでそのポリリン酸ナトリウムが添加されているようなのです。
ということで、ポリリン酸ナトリウムについて、特に犬の場合を調べてみました(猫のごはんにはポリリン酸ナトリウムが配合されているものはあまり見かけないので)。
愛犬の歯みがきをがんばっていらっしゃる飼い主さんたちの参考になれば幸いです。
ポリリン酸ナトリウムって何?
ポリリン酸は、体内にもともと存在しているリン酸が数個から数千個も直鎖状に重合してできている高分子物質です。バクテリアから私たち哺乳類まで、あらゆる生物種の細胞及び組織内にさまざま状態に変化し使用されている化合物です。
リン酸自体は害のない成分で、また骨や歯の形成にも関わる重要な物質です。そのリン酸がいくつもナトリウムと形成したポリリン酸ナトリウムは食品添加物としてなさまざまな効果を期待して利用されているため、不足することはありませんがとりすぎには少し注意が必要です。
なんのために犬のごはんに入っているの?
主に歯のケアを目的として配合されています。
犬の唾液中のカルシウムと結合して、歯垢の石灰化をおさえることにより、歯石の沈着を大幅に軽減されます。
ペットフードメーカロイヤルカナンのホームページに詳しく載っています。
誰でも読むことのできる論文にもポリリン酸ナトリウムの効果がうたわれています。
ポリリン酸ナトリウムは安全なの?
ポリリン酸は、食品添加物としてさまざまな食品に添加されています。
例えば、ハムやソーセージには、食感を向上させ、おいしく仕上げます。
また、いろいろな種類のチーズを混ぜて作るプロセスチーズには乳化剤として使用されています。
他には、コーヒーに香料として使用し、風味が損なわれるのを抑えます。
また、中華めんのもちもちした食感をもたらす「かんすい」や、缶詰の中身の変色防止など「保存性」を向上させるためにも用いられます。
また、歯の黄ばみを落す「ホワイトニング効果」として歯みがき粉や、化粧品や育毛剤などにも配合されているものがあるように広く使われている成分です。
ポリリン酸ナトリウムの歯に役立つしくみ
歯のためにポリリン酸が含まれている場合、鎖の長さが短い「短鎖分割ポリリン酸」が配合されています。
この短鎖分割ポリリン酸は歯についたステインを除去する効果を持っています。
また、歯をコーティングする作用も持っていまるため、再着色しにくくしてくれます。
また、カルシウムを引き付ける効果も持ち合わせており、歯質の強化にも働きます。
ポリリン酸ナトリウムをあたえないほうがいい?
ポリリン酸は体内に取り込まれても、腸管から吸収されるよりむしろ、糞便中に排泄されるため一般的に毒性はないとされています。
ただし、一度に過剰摂取することにより、腸管壁を刺激して下痢を引き起こしてしまうことがあります。
また、リン酸濃度とカルシウム濃度を上げることが分っています。これにより腎臓の石灰化や結石を起こす可能性もあるのでやはりとりすぎ注意が必要です。
心配な方はポリリン酸ナトリウムを含まないガムもありますよ。
咬むのが苦手なわんちゃん、ねこちゃんにはサプリメントバージョンもあります。
歯石がついていると、さまざまな病気にあるリスクがあります。
腎臓に負担をかけないよう、歯磨き粉や歯科用処方食は用法用量を守ってつかってくださいね。
本日は以上です。