オオハシオニコです。
けっこうあるあるお悩みです。これが高じた形?で
「私がよく噛んであげないと食べないんです」
「私が口移しであげないと食べないんです」
もあったりして内心驚かされることもあります。
一昔前はヒトの幼児にも親がかみ砕いたものを与える、ということが一般的でした。今は虫歯リスクや、かえってうまみが失われるということで「かみ砕いてあげる利点なし」と言われていますが、その流れでしょうかね。
さて、手から(口から?)あげることについてですが、嚥下障害や口の奇形などで自らフードをすくいとることができないのでなければ、手からでないと食べないということはありません。健康な成犬は空腹に耐えかねれば自分で絶対食べます(15年以上犬に関わってきて、目の前のフードを食べずして死んだ犬はおりません)。乳幼児や高齢者ではないので、自分で口に運ぶことができないのではなく、精神的に飼い主さんに頼っているのです。
それは具合が悪くて入院しているから、ですね。ヒトも慣れない場所で体調が優れなければ自ら食べる意志はなかなか湧き出てこないでしょう。でも優しい看護師さんに親切にていねいにすすめられたら「じゃあ一口だけ…」となるわけです。
おうちにいる元気な犬が、飼い主さんに手からごはんが与えられるのを待っているのは、幼児がスプーンで食べさせてもらうのを待っているのと同じです。なので、好きなおやつや食材であれば、喜んで自分から飛びつくことがふつうです。
犬が自分で食べるようになってほしいのであれば、よく言われる我慢比べの状態になります。実際このような問題を抱えている飼い主さんは、一食でも食べないと大変なことが起きるのではないかと心配になります。しかし、もともと犬は一日一食でも耐えられる動物です。
それでも気になるのであれば、かかりつけの獣医師に健康状態をチェックしてもらい、1~2日食べずに水だけでも大丈夫かきいてみましょう。
とはいえ「そんなのかわいそう、手からでもなんでも、とにかく食べてほしい!」という方は、それでも大丈夫です。
ただし途中で投げ出さずに、愛犬にとことんつきあって、手からあげてくださいね。