本日は本当に雪が降りそうに寒かった関東、冷え込む季節にお腹を壊してしまう動物が続出で、午前中のはじめは下痢ばっかりでした、獣医諸々のオオハシオニコです。
よく飼い主さんから相談を受けるのが
自分自身のことで考えてみても、下痢しているからって必ずしも元気がなくなったり、食欲が落ちたりするわけではないですね。この場合は様子をみる、になんの問題と思います。
もちろん原因はいろいろ考えられますが、だいたいこういう下痢は様子をみているうちに(病院にいかず自宅で過ごす)治ってしまうことがほとんどです。
しかし、ちょっとのごはんの取り方の工夫で、その回復が多少早まる可能性はあります。
今回下痢(とくに水下痢)になってしまったとき、よく飼い主さんにおすすめする自宅でできる対策をまとめました。どれも簡単なので、やってみてはいかがでしょうか。
自宅でできる愛犬の下痢対策
便は何でできている?
まずはそもそも便てなんだろう?と敵(?)を知るところで、その対策を理解しやすくなります。
便の成分(固形) = 不消化物 + 腸内細菌の残骸
このうち固形物が20~30%で、水 分が70~80%と、かなり水分が多いものになります(動物種によって多少変動します)。
またこの「不消化物」とは、食品中の食物残渣(食物繊維等)が主体であり食物繊維には以下の2種類があります。
- 水に溶ける 『水溶性食物繊維』
水に溶けてねばねばする特徴をもち
- 腸内環境を整える(腸粘膜への栄養)
- コレステロール値・食後血糖値の上昇抑制
- 軟便形成を促す
などの働きがあります。
多く含む食品としては果物 (キウイフルーツ りんご いちご みかん)、繊維のやわらかい野菜(人参 ほうれん草 大根 玉葱 かぼちゃ等)、芋類 (じゃが芋 里芋 長芋)があげられます。
- 水に溶けない『不溶性食物繊維』
水に溶けず、水分を吸収して膨らむ特徴をもち
- 便のかさを増し、便通を整える
- 有害物質を吸着し、排泄を促す
働きがあります。
多く含む食品は繊維の固い野菜(ごぼう 筍 ニラ セリ セロリ)、さつま芋、きのこ類 (椎茸 えのき茸 しめじ エリンギ )、豆類 (大豆 納豆 おから 小豆 )そして乾物 (切干大根 干し椎茸 などです。)
下痢ってなに?
水分を通常より多く含む便 (水溶便等) が多量に排泄される状態のことをさし、水下痢だとほぼほぼ水分です。
原因は一般的には
- 胃腸の機能低下
- 冷たすぎる物、油っこい物、 繊維の固い物
- 食べ過ぎ・飲み過ぎ
- なんらかの病原体への感染
などです。
何らかの投薬治療をしているわんちゃんでは↑に加えて治療の副作用の可能性もあります
愛犬の下痢をなおすポイント3つ
水分
下痢=いつも以上に便に水分がとられてしまっている状態、ですので積極的に水分を補う必要があります。
とはいってもなかなか水だけは飲まないのがわんちゃんです。
ペット用の電解質補給飲料を使ってみたり、人用の経口補液剤を2~3倍に薄めてみたりするとすこし味がついているので喜んで飲んでくれるかもしれません。
ポカリスエットみたいに溶かして飲ませることができるものもあります。
みんな大好きちゅーるならこんなときにも食べてくれるかもしれません。ツナの他にササミ味もあるようですよ。
食欲があるこであれば、ドライフードや缶詰を40℃くらい(お風呂くらい)のお湯でふやかしてあげると、フードと一緒に水分を効率よくとることができますよ。
休息
とはいっても、下痢している腸は過活動つまり動きすぎていることがほとんどで、少し休ませてあげる必要があります。
水分やごはんは少量ずつにして、できれば室温くらいには温めてあげると刺激が抑えられます。また洋服や腹巻、マナーパッドなので腹部をあたためてあげると、腸の運動が治まり
痛みを和らげ、消化・吸収も促されやすくなります。
繊維質
先述した野菜や果物に含まれる水溶性食物繊維は腸の働きを整えます。
食物繊維の消化が比較的苦手な愛犬のため、できれば煮物やスープのように軟らかく加熱して摂りましょう。
いかがだったでしょうか?
このような話をきくと
と思われるかもしれません。
理論上は確かにそうなのですが、病気の時にいきなり新しいものに切り替えると体がついていかないことがあります。
できれば日常的に食べさせているものを工夫して与えているところからあげてみてくださいね。
本日は以上です。