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手作りごはんの犬や猫への薬の与え方(やってはいけない!注意含む)

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先日腕を痛めてしまい、その治療で消炎鎮痛剤と胃薬を飲んでいますオオハシオニコです。

今回でた胃薬は、口腔内崩壊薬、つまり飲まなくても口の中に入れれば勝手に崩れて飲めてしまうお薬です。
同じ成分の薬でも、飲みやすくするようこのように吸収の仕方を工夫したり、大きさや形を変えたり、臭いや苦みをなくしたりと、各製薬会社によってさまざまな工夫がされています。

動物の薬でもさまざまな工夫がされていますが、毎日いろんな飼い主さんに「薬の与え方」をお話ししていると、意外とみなさん「?」なあげ方をしていることに気づきます。
また、与えやすさを重視するあまり、効果のない薬の処方をせざるをえなかった?動物病院をたまにみます。

そこで今回は、とくに手作り食を実践している飼い主さんに薬の与え方とその意味をお話します。

投薬の方法

薬の形状には、ご存知のとおり大きく3種類あります。

  • 錠剤:動物には人用の薬が体重に合わせて割って処方されることもあります。
  • 粉薬:いろんな薬を合わせて粉にして分包されて処方されることが多いです。
  • シロップ:粉薬を水やさまざまなシロップに溶かして処方されています。シロップ自体に、消炎作用や解熱作用、利尿作用のあるものがあります。

それぞれの一般的な投薬方法はこちらのペットグッズの総合サイトペピーに写真付きで載ってます(こんないいこならどんな方法でもいけるはず!)




錠剤

最初から動物病院で小さく割って処方してくれることもありますし、シートで処方され飼い主さんがご自身で割る処方をされることもあると思います。
病院で割ってくれると、あとは与えるだけなので便利ですが、割面(割ったことによってできた面)が空気に触れているため薬の劣化が早まります。また、そこから崩れてしまうことも多く、長期間の処方にはあまり向きません(といっても3カ月とか希望されるかたは多いですね)。
シートで処方されていると毎回飼い主さん自身で割る手間がありますが、薬が劣化しづらく保管しやすい、また院内での処方時間が短くて済むためお待たせする時間が少ないというメリットがあります。

どっちでもいいよーという飼い主さんには、後者をおすすめしています。

割るのにおすすめグッズ

ピルカッターなどもありますが、おすすめはこちらのニッパータイプの爪切りです。

ニッパータイプの爪切り

もし外せるなら、ストッパーを外して使うと大きく歯が開き、また軽い力で割れるのでおすすめです。
すぱっと押し切れるため、薬の割った破片も少なく便利です。
「お薬を切るのにおすすめはありますか?」
と聞かれたら、これ一択です。
ちなみに、ドライフードを小さく切るのにも便利です(手作りメインのかたにはあまり必要でない情報ですが)

万能ハサミ

キッチンやDIYなどで使われる、「なんでも切れる」はさみです。
だいたいどのおうちにもひとつはあるので、わざわざ買う必要がなく、試しに使ってみるぶんにはおれでじゅうぶんです。

ピルカッター

いろいろなメーカーのものがでていますが、けっこうくずれてしまったり、力が必要だったりで、「これ!」というものにはまだめぐりあっていません。

あげかた

そのまま

ごくごくたまに、どんな薬でも錠剤ならぱくっと丸呑みしてしまうとっても飼い主さん孝行のわんちゃんもいますが。だいたいの犬や猫は「ふんっ」とそっぽむくことがほとんどです。
最近はフレーバー錠といって、常在そのものに犬や猫の好む味がついているものが増えてきています。
投薬は毎日のことなので、そのままぱくっと与えられたら飼い主さんと動物、双方のストレスが減ってよいことです。

 

投薬器などのグッズを使ってももちろんかまいません。

 

ごはんにまぜる

手作り食は水分が多いものが人気があります。
そのためそのままいれてしまうと味が広がり、その臭いや味の変化に気が付くとごはんごと全部食べないということもあります。
一番おなかが空いているはずの、最初の一口分だけをいつものお皿に載せその中にくすりを隠してあげると、きれいに食べてしまうことがほとんどです。お薬を残さず一口分を完食したのを確認したら、のこりのごはんを同じ器に入れてあげましょう。
よけいな警戒心をいだかせないよう、いつものお皿を使うことをおすすめします。

おいしいものにまぜる

大好きなもので比較的味が濃く加工しやすいものがおすすめです。
甘党であればジャムやあんこ、辛党であればクリームチーズやハム、炭水化物好きであればジャガイモやサツマイモ、カボチャなどの野菜をゆでたもの、そしておにぎり状態にしてごはんにいれることもできますよ。

粉薬

もともと粉のもの、錠剤をミキサーで粉砕し殻を取り除いたもの、カプセルを開けたものなどです。

保管方法

日の当たらないところで乾燥している場所での保管がおすすめです。
具体的には、お菓子の缶やタッパー、ジップロックなどに乾燥剤と一緒に入れておく方法です。
冷蔵庫にいれているかたもたまにいらっしゃいますが、冷蔵庫内と室温の温度差で薬が湿気て固まってしまったり、べたついてしまうことがあります。
どこに保管するにしても、あまり長い間はおすすめしません。

あげかた

水を加えて練って上顎につける

あまり苦みのない薬であればこの方法が意外と簡単です。
小皿に粉薬をあけ、人差し指を水でちょっと濡らし、薬を練ります。
なるべく上あごやほほの内側につけてあげると上手に飲んでくれます。

ごはんにまぜる

錠剤と同じ

おいしいものにまぜる

錠剤と同じ

シロップ薬

もともとシロップのもの、シロップに粉を混ぜ込んだものがあります。

保管方法

脂肪分の多いものや濃いシロップは糖度が高いため室温可能なものもありますが、基本的には冷蔵庫保管です。

あげかた

そのまま

スポイトやシリンジで吸って、口の中に歯のあいだから飲ませます。あわてて一度に飲ませず、2~3回にわけて少量ずつ飲ませたほうが、結果的には早く無理なく飲ませられます。

ごはんにまぜる

錠剤や粉薬と同じ

おいしいものにまぜる

食パンやウエハースなどに浸みこませて与える方法も有効です。

粉やシロップ薬にすることができない薬もあります

代表的なものとして腸溶剤、徐放剤、糖衣剤があります。

腸溶剤

薬の成分が胃の中では溶けず、腸に入ってから溶けるように作られたお薬です。
経腸チューブなどを入れている犬や猫でカテーテルの先端が腸に届いている場合を除き、粉やシロップにすると効果が大きく落ちてしまいます

徐放剤

安定した効果を長く続くよう、徐々に薬の成分が放出されるように工夫されているお薬です。ゆっくり溶けることを計算し半日分や1日分の有効成分が入っています。
そのためシロップや粉薬にしてしまうと、1日分の有効成分が一気に溶け出してしまい薬の血中濃度が一気に上昇することがあります。
薬の効果が強くなりすぎてしまったり、効果が短くなってしまうことがあります。

糖衣剤

薬のもつ本来の苦みと臭いを水で溶けるコーティングで飲みやすくしたお薬です。とくに猫は苦味のある薬を飲むとよだれや泡をだらだら流してしまうほど薬の苦味には敏感です。甘いシロップに混ぜますよ~というものの、苦みを完全に消すことは難しいので動物によっては無理にシロップや粉にして与えることは控えましょう。

 

もともと錠剤で処方されていたものを、うまく与えられないから・・・ということで、つぶしたり何かで溶いたりすることは誰しもが考える工夫です。

しかし、ものによってはそれによって薬の効果がなくなったり、そればかりか副作用が強く出てしまうこともありえます。

面倒でもお薬を受け取るとき、つぶしていいか、溶かしていいかを確認することをおすすめします!

 

本日は以上です。

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