オオハシオニコです。
最近は新しく迎えられた子犬を、パピースクールや子犬の幼稚園などに連れて行き、基本的なしつけや人とのかかわり方を飼い主さんもいっしょに学ばれる方が増えています。
病院や人を怖がらない、必要な処置をストレス少なく行えるので、動物病院関係者としては大大大歓迎です。
さて、そんなしつけトレーニングに必ずと言ってもいいくらい登場するのが「おやつ」、いわゆるごほうびです。
ダメなことをしたら怒る → 負の強化
よりも
いいことをしたらほめる → 正の強化
のほうが子犬にとってとても効果的であることがわかっているため
「ごほうびがないということをきかないんじゃないか」
という昔の心配はおいておいて、積極的にほめてごほうびをあげて、楽しくトレーニングすることが最近の家庭犬のしつけ方法です。
そうなってくると、だれしもが気になってくるのが
「ごほうび(おやつ)っていくらでもあげていいの?」
です。
ごほうびだから、いいこと(しつけに成功)しているのであれば無尽蔵にあげていいのでしょうか?
体に優しい、無添加手作りならいくらでもいいのでしょうか?
犬にあげていいおやつの量は決まっています!
おやつをあげることは何も子犬に限ったことではないので、動物病院のスタッフなら、だれしも一度はきかれたことのあるであろうこの質問
「おやつはどのくらいあげてもいいんでしょうか?」。
結論としては「一日の総カロリーの 10~20%以内です」
です。
でもそれだけではあまりピンとこないですよね。
そんなことはネットでいくらでも落ちている情報です(というか、人で厚生労働省が大公表しています)。
実際にどんなものか考えてみましょう。
日本ヒルズのHPから必要カロリーなどを計算してみます。
例えば5.0kg のミニチュアダックスフントだったとします。
まだ避妊手術や去勢手術をしていない1歳未満の子犬だったとすると、一日必要なカロリーは約460 キロカロリーです。
すでに手術をしている成犬だった場合は、374キロカロリー。
7歳以上の高齢犬の場合(7歳以上で高齢ですよ!)は、328キロカロリーです。
この10~20%ですから、それぞれ46~92、37~74、32~68 キロカロリーくらいです。
たとえば、このランキング一位の無添加ささみジャーキーは、100gあたり320キロカロリーのようです。
本数が書いていないのでわかりませんが、単純に1本1gとして計算すると150g入りなので、1本あたり2.1キロカロリーです。
ということは、子犬のしつけであればなんと40本以上あげられます!
高齢犬であっても30本くらいはあげられるようです。
ではこれはどうでしょう?
https://www.glico.co.jp/navi/index.html
(こちらのサイトで計算しています。手作りごはんのときにも利用しています、無料です。)
6枚切りの食パンは1/6枚で26キロカロリー。
メロンパンは1/10で29キロカロリー。
チーズは1/4切れで17キロカロリーです。
朝ごはんやおやつの時、近くをうろうろしているとうっかりあげてしまいそうな量ではないですか?
しかも、ご家族で飼われている場合、みんなが自分だけがあげているつもりで最大量あげていると4人家族なら4倍量たべていることになりますよ。
そもそも、おやつの量をきいてこられる方は、おやつをたくさんあげたいからきいてくるので、このくらいですよーと教えてあげてもだいたい「少なっ」となるのです(笑)
犬にあげていいおやつの回数は決まっていません
獣医をしていてしみじみ感じることですが、犬はおやつをあげた量ではなく、あげた回数に比例して喜びます。
ご存知のように、犬はほとんどかみません、急いで飲み込める大きさにしてそしてなるべく早く次をもらおうとします。
つまり一回にどーんと大きいものをあげるよりも、ちまちまちまちま、何回にも分けてあげるほうがたくさん喜ぶわけです。
実際にしつけのトレーニングでも、ごほうびとしてはローコロリーのおいしさ控えめのものをたくさんあげるより、多少高カロリーでもお気に入りのものを小さく(半分の半分の半分のそのまた半分くらい)して、すこしでもほめるポイントがあればすかさず、ひんぱんに与えます。
そのほうが、実際の満足度も高いのです。
おやつの種類は?無添加?手作り?野菜はどう?
あくまで、おやつでありごほうびなので、そのときそのわんちゃんが好きなものが一番です。栄養管理する上でメインになるものではないので、あまりがんばりすぎず、こまめに新しいものを開けてください(二週間くらいで使いきるのがベストですよ)。
フードやおやつのおいしい賞味期限についてはこちらもどうぞ。
野菜は日常的にあたえるのであれば、やはり加熱することをおすすめします。
犬が食べる野菜の量についてはこちらもどうぞ。
おすすめのおやつはありますか?
特にありません(すみません)。
が、フードはこだわりがある方が多いですが、上げない派!はのぞいておやつとなるとやはり見た目もかわいいものがプレゼントとしてはおすすめです。
一般動物病院で扱っている数あるおやつの中で、珍しく形にもこだわって、小型犬にも与えやすいのはこちら。
そういうわけで、おやつはカロリー的には一日の合計の 10~20%が目安ですが、回数は、よいことをしたらそのぶんだけあげてみてくださいね。