オオハシオニコです。
新生活を迎えられる節目に新しい家族として犬や猫を迎えられる方も多いですね。
先日診たまだ一歳にならないかわいいトイプードルmixちゃんは、体重1.4kgでちょっとやせ気味です。
ブリーダーさんのところからご自宅にやって来たときから、なんとなくやせぎみだそうです。
ごはんをあげる→喜んで食べる→すぐおなかいっぱい?途中で食べるのをやめる・・・でなかなか完食できず残してしまうことを飼い主さんはお悩みです。
かかりつけの動物病院で相談したところ
「避妊手術をすると食欲が出やすいのでちょうど時期だしやりましょう!」
と勧められたそうで、2ヶ月ほど前に6ヶ月齢で避妊手術をうけ、退院の時に処方された、避妊手術・去勢手術後用のを今は食べさせているとのことです。
ところがやっぱり完食できないし、なんだかますますやせっぷりが目立つのが心配です!と本当に心配されている飼い主さん。
- 子犬が元気だけどごはんを食べない
- 子犬が食べないと吐く
- 子犬が食べないのは何日くらい大丈夫?
- 子犬が食べないときは栄養補給したほうがいいの?
- 子犬が食べないときの対策は?
①子犬がごはんを食べないときの対策は?
子犬は元気に見えても、まだまだ未発達な状態のため、食べないことを放っておくと低血糖状態で成長が悪くなったり、重症になると脳障害で倒れてしまったりけいれんをおこすこともあります。
チワワやトイプードルなどの小型犬であれば、何日どころか1日でも食べないのは危険です。
やはり飼い主さんには、すこしずつでも子犬が自分からごはんを食べるようになることを助けてほしいものです。
以前監修した記事は「子犬の離乳食を徹底解説」はこちら。
子犬がごはんを食べない理由として考えられるのは、ざっくり以下のようなことです。
病気をうたがうとき
自宅に迎えてから2週間以内の子犬は、何らかの感染症にかかっている可能性があります(潜伏期間:感染しているけどまだ発症していない時期 はたいていそのくらいの期間)。
またしばらくたっていても、迎える時には発症していなかった先天性の病気の症状として食欲低下がでてくることもあります。
かかりつけの動物病院を探すいいきっかけにもなりますので、この時期気になることがあったら病院に連れて行ってみることをおすすめします(購入先によっては、提携病院があったり、保険の関係もあるため、それもあわせて確認してみましょう)。
病気ではないが心身ともに疲れている
自宅にきたばかりの子犬はテンションがあがって元気すぎ・・・次の日には疲れてぐったり、もありえます。また、ナイーブなコでは新しい環境が怖すぎて、お腹を壊してしまうこともあります。
最初から言われたごはんの量すべてを食べなくても、優しく少しずつ口元にもっていって食べてくれるようであれば、徐々に慣れて食べるようになります。
焦らず根気強くやってみましょう。
ごはんより興味のあるものがある
とくに小型犬に多いです。
ごはんよりごはんをくれる人と遊びたい、ごはんはおいしいけど他に物音がするとそっちに興味がいってしまう、同じごはんが続くと飽きてしまう、などですね。
- 元気だけどごはんを食べない子犬
- ガーっと食べて吐いてしまう子犬
はこのタイプでしょうか。
そもそも子犬の集中力は一瞬です、興味を失えばもう二度と振り向いてはくれません。
実際行うことのできる対策としては
- 一回の量を減らして回数を増やす(早く食べきれるようにする)
- ごはんをいれる器やあげる環境を整える(落ち着いて食べられるようにする)
- ふやかす時間や量を少し変えてみる
- 残したら短時間で片づける
などが有効です。
おなかがいっぱい
これも小型犬に多いです。
消化器が未発達、かつ成長もあまりよくない子犬の場合、すぐおなかがいっぱいになってしまい食べられなくなってしまいます。無理に食べても、下痢をしたり吐いてしまったり、また喜んで食べるものの途中で止めてしまうコはこの可能性があります。
- フードをより消化のいいものに変える
- ごはんの回数をふやす
- カロリー補給のミルクやおやつを足す
- たくさん遊んであげる
などが有効です。
②子犬のごはん、ふやかしたり回数を多くするのはいつまで?
子犬のごはんをふやかす理由は、まだ乳歯が生えそろっておらず、固いものをたべにくいためです。せっかくの栄養素が壊れてしまうことをさけるため人肌くらいのぬるま湯で分以上の時間をかけてふやかすのがおすすめです。
ヒトの指でかるくフードをおしてみて、ドライフードに芯が残っていない位までやわらかくなっていれば大丈夫です。だんだんと乳歯が生えてきたら、芯を残すように調節してみてください。
子犬の消化や乳歯の生え方の発達の度合いには個体差があるので「いつまで」とはっきりは言えませんが、生後4~5カ月に入ったら、一般的にはフードをふやかす必要はありません(ふやかしていけないわけではありません)。
与えているフードによっても変わってきますが、生後2カ月頃は1日4回、3~5カ月齢は1日3回にわけてごはんをあたえることがおすすめです。
③避妊手術や去勢手術をするとごはんを食べるようになるの?
犬は避妊・去勢手術後の1ヵ月間で、平均約22.5%食事量が増えるという報告があります。
一般的に避妊・去勢手術をした犬や猫は、ホルモンバランスの変化によって、手術をしていない犬や猫に比べて必要なエネルギー量は減少します。しかし食欲は増加してしまうため、当然太りやすくなります。
肥満はさまざまな病気の原因になりえるため、生活環境や食生活を工夫して予防をしていくことが大切・・・というわけでだいたいの動物病院では避妊・去勢手術後にはそれ専用のフードをすすめてくれるのです。
④手術をしても食の細い犬はどんなごはんがいいの?
ヒトでも絶対太ることができないヒトがいるように、犬や猫でもいくら食べても出ていくばかりで身になりづらいコはいるのです。
相談にいらしたトイプーmixちゃんも恐らくはこのような体質なのでしょう(手術前に全身チェックで健康であることはわかっているので)。
はたして今後何を食べたらいいのか?です。手術前に食べていた子犬用のごはんか、手術したのだから手術後の成犬用のごはんか・・・。
仔犬用のごはんの特徴
メーカーによって細かくは違いますが
- 成長期に必要なカロリー密度を含む
- 成長期に必要な栄養素を含む
- 小さい口でも食べやすいよう、フードの大きさや形に工夫がされている
- 消化がしやすい工夫がされている
のような工夫がされています。
避妊・去勢手術後用のごはん
これもメーカーによって違ってきますが
- 手術によって代謝が落ちやすい体質をサポートする
- 太りにくい体にするため、食物繊維や脂肪燃焼効果のある成分が配合されている
どっちがこのコに必要かは明らかですね。フードの名前に合わせて、そのコに合っていないごはんをえらんでしまう、もったいないですね。
結論、仔犬用のごはんは栄養たっぷりなので、やせぎみのコは成犬になっても、手術をしても無理に代えなくても大丈夫です。