こんにちは、オオハシオニコです。
たまにあるあるなのですが、飼い主さんとペットが同じ病気になることがあります。
アレルギーや糖尿病とか心不全、とか。
先日も、糖尿病でインスリン治療が必要になってしまった猫ちゃんの飼い主さんは、80代後半とご高齢でした。
失礼ですが、インスリンを自宅で猫ちゃんに打つことができるかな?、とやや心配だったのですが。
じつは飼い主さんはまさかの糖尿病歴40年らしく、いわく
くらいに慣れているそうで、なんなら自分よりも上手かもしれません。
おかげで無事ねこちゃんは自宅での快適な生活を送ることができるようになりました。
さて、ここまでは前置きでして今回は「腎臓病の犬のおやつは・・・手作り?市販?まさかのビスコ?!」のお話です。
※大変残念ながら、こちらで取り上げましたたんぱく調整ビスコは、2020年5月末をもって終売となりました。うーん、残念…代わりについては以下をご参照くださいね。
(他の腎不全のお話も「腎不全とササミ」「腎不全と牛乳」よかったらどうぞ)。
たんぱく調整ビスコとの出会い
12歳のトイプードル、ランちゃんの飼い主さんは、ダンナさんとランちゃんがほぼ同時に「慢性腎不全」と診断されました。
犬ももちろんですが、人は食事管理が超重要なので、いろいろと工夫しているそうです。
ところがダンナさんが大の甘党で、しかもヘルシーな手作りお菓子とかでは満足できないらしく、お菓子っぽいお菓子、つまり市販のお菓子を食べたがるそうなのです。
すこしでも腎臓に負担の少ないお菓子はどれ~と情報を集めるなか
「ビスコが腎不全によい」
と耳にされたそうです。
そしてなぜだか医者でなく、こちらに先にきいてこられました…。
さて、本当にビスコは腎不全にいいお菓子なのでしょうか?
結論からいいますと
何味ならいいとかではなく、なんとビスコはタンパク質を制限したその名も「タンパク質調整ビスコ」を独自開発されてました。
すごい、これなら普通のお菓子だし、ダンナさんも一安心ですね…と思いきや。
甘党なところも似てしまったのか同じく、腎不全のランちゃん、ごはんはもちろん犬のおやつには見向きもせず、ダンナさんの食べているものならいくらでも食べたがってしまうそうなのです。
お腹がすけば、しぶしぶごはんをある程度は食べてくれるそうなのですが、喜んでおやつを食べている姿を見たいダンナさんが、ランちゃんにもビスコをあげていいかものすごく気になっているそうです。
奥様はわざわざそのビスコを持参され「これなんですけど」と。
おやつにほんの少し食べるくらいならいいんじゃないですか~と言うのは簡単ですが、せっかくなので、たんぱく調整ビスコ、またその他の腎不全のわんちゃんにどうかな?という人間のお菓子を検討してみました。
たんぱく調整ビスコ(※2020年5月終売)をチェック
グリコグループのアイクレオという会社(日本初の赤ちゃん用液体ミルクを売り出した会社ですね)で作られているビスケットのお菓子です。
普通のビスコと比べると
- おいしさにこだわりながらも、腎不全の人が控えるべきタンパク質、食塩、カリウム、リンを調節しています
- カロリー管理をしやすく一袋約50kcalにしてあります
- くちどけがよく、高齢者のかたも食べやすい工夫がしてあります
このような違いがあるそうです( 詳細はグリコのHPで見ることができます)。
ふつうのスーパーにはやはり売っていないようで、ウェルシアやマツキヨでも取り寄せになることが多いそうです。
そこで愛用されているお宅ではネットでまとめて購入されてるそうです、便利な世の中です。
一箱12パック入り、約650kcal、成人の約1食分のカロリーですね。
たんぱく調整ビスコを普通のビスコと比較
上がアソートパックの普通のビスコ、下がたんぱく調整ビスコです。
開けてみるとかなりの色の違い。
たんぱく調整は白っぽいですね、そしてやや柔らかめです。
横から見ると、少し薄めのようです(というか普通のビスコが厚い!)。
私と大人一人、小学生二人で試食してみた、たんぱく調整ビスコと普通のビスコ、それぞれ感想↓です。
- たんぱく調整ビスコ 白くて薄くて見た目はあまりおいしくなさそうだけど、食べるとややしっとりして普通においしい
- 普通のビスコ ふっくらさくさく、味はあまり変わらないけど食感がいい
食べ比べるとやはり普通のビスコが圧倒的支持を集めましたが、それ単独であればたんぱく調整ビスコも全然いけました。
たんぱく調整ビスコと普通のビスコの成分を比較
たんぱく調整ビスコ 10.9g | 普通のビスコ 8.24g | |
エネルギー kcal | 54 | 39 |
タンパク質 g | 0.3 | 0.5 |
食塩相当量 g | 0.03 | 0.048 |
カリウム mg | 5 | 記名なし |
リン mg | 6 | 記名なし |
購入してみたアソートパックに入っていた普通のビスコは、たんぱく調整ビスコよりやや小さいためエネルギーも少なめです。 にもかかわらず、タンパク質や食塩相当量は抑えられているのでさすがですね。
たんぱく調整ビスコと腎不全の犬向けのおやつと比較
犬のフードはドライが基本のため、乾物分析 DM で表示されていることがほとんどです。
そのため誤差がでてしまうので、表示のはっきりとした腎不全の犬向けのおやつを比較してみました。
たんぱく調整ビスコ 10.9g |
PEペティッツソフトトリーツ ミネラルコントロール 約10g |
|
エネルギー kcal | 54 | 32.5 |
タンパク質 g | 0.3 | 0.35 |
食塩相当量 | 0.03 | 0.003 |
カリウム mg | 5 | 10 |
リン mg | 6 | 5 |
PE ペティッツ ソフトトリーツ <ミネラルコントロール>は、腎臓用療法食に比べてもそうとうミネラルを絞ってあるようなので、ナトリウムの食塩相当量は差が出るようですね。
タンパク質やリンはなかなかにいい勝負のようです。
実際こちらのトリーツ食べてみると、もそもそっとしたスイートポテト風味のパンみたいなかんじです。分析したわけでないのではっきりしませんが、ビスコは中のクリームに味がついているようなので、ナトリウムもそこに多く含まれているかもしれません。
気になる飼い主さんは、クリームを取り除いてあげると減塩になる可能性が期待できます。
また、こちらのビスコの原材料で犬が避けるべきものも特にはありません。
小麦と米、そして乳製品にアレルギーをもつ犬は反応してしまう可能性があります。
たんぱく調整ビスコ以外に、腎不全の犬向けにおすすめの人のおやつ
喜んでくれるならば犬には「犬用」の腎不全のおやつが一番です。
しかし、長年の習慣から自分のものは食べず、飼い主さんご家族のものであればほしがる犬がいるのも事実です(そしてそういうわんちゃんが腎不全になることも)。
そのため、何も食べないよりは、そして治療をあきらめてなんでもあげてしまうよりは、多少でも腎臓に負担をかけづらいということで、他にも腎不全の犬向けのヒトのおやつを探してみました。
調査場所は某イオンです、ですので日本全国どこでも買えると思います。
西村の野菜ボーロ(ホウレン草、カボチャ)
残念ながらカリウムとリンの表示がありません(というか普通のお菓子はそのようなものはありません)。
なので食品成分表の「ボーロ」で調べて補ってみました。
ゆめせんべい
たまたまウェルシアで売っていました。
CMでおなじみ、キッセイ薬品が作っているようです。
西村野菜ボーロ 1袋 20g | ゆめせんべい 1袋 20g | |
エネルギー kcal | 76.6 | 100 |
タンパク質 g | 0.28 | 0.20 |
食塩相当量 | 0.01 | 0.06 |
カリウム mg | 9 | 0~5 |
リン mg | 11 | 1~5 |
野菜ボーロ一袋はけっこうな量なので、ちょびちょびあげる分にはよさそうです。
これらのお菓子が腎臓にいい!のではなく、腎臓に負担をかけづらいお菓子もある!、だけですのでどうか間違われませんように。
猫ちゃんが喜ぶ腎臓用のおやつはまた調べてみる予定です。
本日は以上です。