ペットフード

ナチュラルオーガニックなフードが犬や猫のためには安全なのでしょうか?

オオハシオニコです。

獣医オオハシ
獣医オオハシ
このコは今どんなフードを食べているんですか?

の答えに多くなってきたのが

飼い主さん
飼い主さん
ネットで評価の高い、海外のナチュラルオーガニックフードのなんちゃら~です!


ペットの栄養の勉強をしている

→ペットの栄養に詳しい

→ペットフードの種類に詳しい

と思われているかもなのですが、自分のところで販売している商品以外まではチェックしきれません(そんな時間あれば、他にやりたいこともありますし。獣医雑誌読むとか、論文チェックするとか。)


でも、最近はiPadもって診察してるので、その場で調べて飼い主さんに確認してもらうことができてしまいます。

そんな環境でよくきかれるのがこれからお話する次の質問です。

このごはん大丈夫でしょうか?

飼い主さんが海外から取り寄せているというオーガニックドッグフードをネットで確認しながら会話が進みます。


獣医オオハシ
獣医オオハシ
へー、こんなごはんがあるんですねー

飼い主さん
飼い主さん
そーなんですよ、お友だちのなんとかちゃんも食べててー。だけど合ってないのか最近やせてきちゃって心配なんです、これってだいじょうぶなんでしょうか?

獣医オオハシ
獣医オオハシ
(・・・いや今知ったフードなんだけどね)これを一日どのくらいあげてるんですか?何㎏の設定にしてますか?

飼い主さん
飼い主さん
え…どのくらい…ですか?


意外とみなさん内容にはこだわるけど量にはおおらかのようで、自分基準の「ちょうどよさそう」な量をあげているようです。

別に好きなものを好きなだけ食べてればいいわーというのを完全否定はしませんが、せっかくいろいろ調べて選んだフードなら、もうひとがんばりしたらいいのに、と残念になります。

そしてその与えている量がはっきりしなければ、大丈夫もなにもありません。しかも現物がそこにない(お取り寄せ品ですから)ので、じっさいにカップで測ってみせてもらうこともできません。

結局その場では解決できず、次回に持ち越しとなってしまいます。

ごはんは内容はもちろん、量も確認してからあげましょうね。

 

このごはん栄養成分表示の見方がよくわからないんですが、どうなんですか?

見ればいいんじゃない?と思っていると・・たしかになぜだか書いていない海外並行輸入品が存在するのです。

パッケージは国内で流通している大手メーカーと同じなのですが、栄養成分表示(もちろん国内では義務です)の部分になぞのシール(しかも消えかけてて読めない)が貼ってあるんですね。

恐らくはどこかのより安い国で、大量のカートン購入(コストコとかである枠みたいなもの)したものをばら売りしていると思われるのですが、国内流通と同じとは言い切れず困ってしまいます。

一般的な栄養成分表示の見方についてはこちらのサイトがわかりやすいです。

(環境省:飼い主のためのペットフード・ガイドライン ~犬・猫の健康を守るために~より)

海外メーカーでも基準があるんですか?安全なんですか?

それは購入する前に購入先に聞くのが一番なのですが、一般論を。

日本のペットフード公正取引協議会採用しているのはAAFCOの栄養基準です。

AAFCOとは「米国飼料検査官協会」のことであり、「The Association of American Feed Control Officials」の頭文字をとってAAFCO(日本では「アフコ」)と呼ばれています。米国飼料検査官協会というのは、ペットフードの栄養基準やラベル表示に関する基準を制定しているアメリカの団体です。AAFCOが定めたペットフードの栄養基準はひとつの世界的なスタンダードとなっています(ひとつのというのは、ヨーロッパはまた別の団体FEDIAFの基準があるためです)。

ただ、AAFCOというのはペットフードの認定や承認を行う検査機関ではありません。そのため、ペットフードのパッケージなどでAAFCOの栄養基準を満たしていることを表現する場合、「AAFCO認定」「AAFCO承認」「AAFCO合格」というような表記はおかしいわけで、「AAFCOで認められたペットフードメーカー」というのもないわけです。「AAFCO(米国飼料検査官協会)の基準をクリア」というのが、適切な表示例になります。

そして、「AAFCO基準」はあくまで1つの目安です!

AAFCOの栄養基準はなくてはならないものです。しかしながら、AAFCOは、パッケージ表示に関しては非常に厳格な規制を設けているのですが、原材料についてはそれほど厳格ではありません。

つまり、「AAFCOが定める栄養基準を満たしている」=「安全である」とは言い切れないということです。

安全は価格にダイレクトに反映されます。

安全をどこまで求めるか、海外から輸入されているということはそのコストは国内と比べてどうなのか・・・ペットフードを選ぶ際は、「AAFCOだから安心」と判断する前に、原材料や製法をしっかり確認することが必要になります(それが面倒ということであれば、あまり世界に目を向けすぎないことをおすすめします)。

・・・結局どれを選べばいいんですか?

難しくなってきましたよね。

そう、難しいんですペットフードを選ぶって。そのためいわゆる「フードジプシー」になってしまう飼い主さんが存在し、ペットの栄養学が盛り上がるわけです。

結局はその飼い主さんの価値観によって、どこまでこだわるかは変わってきます

人の食について価値観が異なることと全く同じです。マックを食べる食べない、モスならいいのか、そもそもファーストフードは、手作りの家庭の味にこだわるのか、使う素材は有機栽培か・・・などなど。

 

ただ、人の食生活と違い、学校の家庭科でも習わないですよね、ペットの栄養なんていうものは。

信頼できる本を一冊、きちんと読むことがおすすめですが、とりあえずさらっと学びたいという方にはこちらがおすすめです。

WEBでも閲覧可能です。

 

情報が溢れすぎて、選ぶのが難しい現在ですが、ネットの情報に驚いてパニックになる前に、やはりその場に確かに存在しているプロ(獣医師やペット栄養管理士、動物看護士など)に一度ご相談してみることをおすすめします。

 

獣医オオハシ
獣医オオハシ
ネットで相談するときも、確かな相手を選びましょう

 

本日は以上です。

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