台風が関東直撃とありとっても明日の診察が忙しくなりそうで少々怯えておりますオオハシオニコです。
さて私の実家のわんちゃんは19歳、そろそろ足腰がうまくたたなくなってきました。
自分でトイレに行こうとはしているのですが間に合わないこともしばしば。
家族が家にいる時は良いのですが、留守番をしているときに粗相をしてしまうとパニックになるらしく、家に帰ってみると大惨事ということがあるそうです。
そこで紙おむつを勧めたのですが、まだまだ愛犬の老いを認めたくないのか、はたまためんどくさいだけなのか、身内と言うのは非常に説得するのが難しく、なかなか愛犬に紙おむつを導入するのに苦労しました(いまでは「オムツをすると落ち着くみたい」とまで言うようになりました)。
今回はそんな身内も納得してくれた紙おむつの便利さとその選び方のポイントを、毎日診察しているようなふつう~の獣医師目線でご紹介いたします。
愛犬、愛猫ちゃんの紙おむつの使用を迷われている方の立場助けになれば幸いです。
ペット用の紙おむつとは
紙おむつはヒトでは赤ちゃんが自分でトイレに行けるようになるまで使うもの、もしくはお年寄りで自分でトイレにいくことが難しくなる人が使うもののイメージがあるのではないでしょうか。
ペットの場合は子犬や子猫の頃に紙おむつをすると言う事はまずありません。
意外と多いのは、泌尿器や生殖器の手術の後です。
例えば事故によって膀胱や膀胱から尿の出口までの尿道を手術した場合、その場合自分でおしっこしたいな~、よししよう!みたいなことが感じられる排尿コントロールができなくなることが多いため、いわゆる垂れ流しの状態になってしまうことがあります。
そんな時自分や周りを汚すのを防ぐために紙おむつを使うことがあります。
また歳をとったペットちゃんがトイレを決めた場所まで間に合わないとか、またはびっくりしたり場合によってはおねしょをしてしまうようになったときに使うこともあります。
もちろん猫ちゃんも使うことがありますよ。
犬は特に体の大きさが犬種によって非常に異なるため、紙おむつのサイズはSSSのスリーエスサイズからXXLまで非常に豊富です。
ヒトのようにパンツタイプの紙おむつはほとんどなく、いわゆるテープ式の紙おむつがほとんどです。
ペット用の紙おむつとヒト用の紙おむつとの違い
2019年9月現在では、ヒト用の紙おむつの方がペットちゃん用の紙おむつより品質も使い勝手も優れていることが多いです。
というかペットちゃん用の紙おむつの品質は残念ながら今のところ良いとは言えません。これは某大手企業と老犬介護用品の開発を手がけている研究室の友人からちょくちょく相談を非公式にうけている(夜ごはんとかで)ので、いまのところは確かな情報と思われます。
これはもう需要と供給の関係のヒトと動物の圧倒的な違いでしょう。
現代人の日本人はほぼ100%(布オムツ派もいらっしゃるかと)、紙オムツのお世話に生まれてから2〜3年はなるものです。
また、高齢化社会にあっては歳をとってまたお世話になる可能性があります。そのため、ヒトの紙オムツは常に進化し続けているので、ペットが追いつくのはなかなか大変です。
特に理由がなければヒト用の紙おむつの転用をお勧めします
多少の工夫をすることで、ねこちゃんや超小型のワンちゃんでも、ヒト用の紙オムツを快適に使うことができます。
オムツをつかうとなれば、オムツを当てる部分の毛はなるべく短めにしておいたほうが、ムレを防ぐことができます。
かぶれやすいこは、あらかじめ気になる部分にワセリンを塗っておくと皮膚の保護になります。
しっぽがある犬種や猫は、尾を出すための孔というか切り込みをちょうどいい位置に開けて使われると便利です。
年寄りのペットちゃんに紙おむつをお勧めする理由
わけでは、もちろんありません。
もしできるのであれば、粗相をしたらその場で片づければいいだけなので、オムツを無理に使う必要はありません。
しかし、忙しい飼い主さんたちは、仕事や用事で疲れてようやく帰ってきたと思ったら、悲惨な部屋の中とそしてペット・・・心が折れてしまいそうです。
ペットとなるべく楽しい時間を過ごせるよう、飼い主さんの負担を減らすためむしろおすすめしています。
ペットちゃんに紙おむつを使ってみましょう
ペットをできれば立たせて、後ろからオムツをつけるのが一番簡単です。
しっぽを穴から通し、背中に軽く当て、お腹のほうから腰~背中とテープを回します。まずは左右のどちらかを適当に固定し、次にもう片方はしっかりとウエストに合わせてひっぱります。そして最初に固定したほうを再度調節して終了です。
と言う方もいらっしゃいます。
選び方のポイントとしては、ヒトの赤ちゃんも同じですが腰回りの部分にギャザーが入っているものがオススメです。
ギャザーが入っていないものの方がもちろんお安いのですが残念ながらずれてしまうことが非常に多いです。
元気も食欲もまだけっこうある=よく動く、排便排尿の量も多い
ので、あまり安価なおむつだとずれたり吸収量が足りなかったりすることもあるので、ご注意ください。
最近の100円ショップでは人の赤ちゃん用の紙おむつ(テープタイプ)が2組組個包装で売られていることもあります。
100均ブランドではなく、普通にドラッグストアで売っているブランドですので、お試しに買って使ってみてはいかがでしょうか。
また、ペットの紙オムツも売られていますがこちらは100均ブランド。
お値段なりの使い勝手なので、高齢になりあまり動きが激しくないこや、排尿や排便のタイミングはだいたい決まっているこにいいかもしれません。
ネットではいろいろお試しセットもあります。
間違えてパンツタイプを購入しないようご注意くださいね。
本日は以上です。