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シニアの猫が便秘!解消するフードやマッサージ・ツボもプロが解説

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オオハシコニコです。

本日診察にいらした 21歳の猫さん。
軽い腎不全があるため、定期的なチェックと爪切りに毎月きてくれます。
21歳ともなると、動物看護士さんの中には同年齢の人もいたりで、大変スタッフの人気者のおばあちゃん猫さんです。

いつも通り体重をチェック、一般身体検査を行いながら最近の様子をうかがうと

飼い主さん
飼い主さん
いつも食べていたごはんをきらしてしまって、いっしょに飼ってる他の若い猫(といっても14歳ですが)のごはんにしたんですよ。
そしたらなんかすっごい便秘で。がんばりすぎて吐いちゃうくらい。

獣医オオハシ
獣医オオハシ
あー、(いつものごはんをカルテで確認)、それは確かにいつものごはんでなくなったせいかもですね

飼い主さん
飼い主さん
えー、ごはんを変えたくらいでそんなに変わるものですか?

はい、変わることもあります。
とくに仔猫と老猫は、ごはんの種類によって便秘や下痢になりやすいです。

その理由はさまざまですし、原因によって治療も変わってきますが、今回は

  1. ごはんを変えたら、猫が便秘になった理由
  2. 猫のがんこな便秘を解消するごはんはどんなもの?
  3. ごはんと薬以外で猫のがんこな便秘を解消する方法
  4. 猫の便秘はどのくらいで動物病院にいくべきか?

についてお話します。

ごはんを変えたら、猫が便秘になった理由

うっかりいつものごはんをきらしてしまった飼い主さん、もう何年も同じごはんをあたえているので、そもそもどうしてこのごはんにしていたか理由を忘れてしまっていました(よくありますよね)。
そして、14歳と21歳とはいえ、同じ高齢・シニアの猫だから、他のコと同じごはんで大丈夫でしょうと判断し、あげてみたそうです。
小粒でいい匂い、猫も喜んで食べたのでくいつきもよくよかったよかったと安心しました。

ところが、その次の日からピタッと便秘になってしまい、4日目にはトイレにこもってしばらくすると吐いてしまっていたそう。
でも食べてるしだいじょうぶかな、でもやっぱり心配…次に病院できいてみよう、とちょうど1週間目に来院されました。

他のコ用に購入されていたごはんを調べてみると、いわゆる猫のシニアフードとして人気のあるごはんでした。
年齢を重ねるごとに、猫も食べる量は減っていきますが、代謝が低下するため、あまり多くのエネルギーを必要としなくなるからです。
また、歯が弱ったり抜けたりして、固いものが食べられなくなることもあります。
そして老猫になると消化吸収力も弱くなっていきます。

そのため消化が良いごはんを食べさせてあげたいものですが、同時に心がけたいのは老猫に必要な栄養素が十分に含まれているかどうかということになります。
「老猫用」「シニア用」など、老猫期に入った猫用のフードはそれをふまえて作られているので、一般的には高品質で、食べやすく、消化しやすいごはんということになります。
そういったごはんはタンパク質は多く、脂質や炭水化物、繊維やミネラルはやや控えめな、どちらかというと便の量は減るごはんということになりますが、このお年寄り猫さん残念ながらそれが合わなかったのです。

 

猫のがんこな便秘を解消するごはんはどんなもの?

21歳のお年寄り猫さんのいつものごはん、とは食物繊維が豊富に含まれているものなのです。

食物繊維=ゴボウ?みたいな感じをみなさん思い浮かべるようですが、じつは食物繊維には2種類あります。

可溶性食物繊維
水に触れるとねばねばさらさらになる食物繊維で、たとえばコンブやサトイモなんかがこれにあたります。
ねばねばいろいろくっつけながら、ゆっくり腸のなかを移動して、発酵をうながします。

 

不溶性食物繊維
水に溶けない食物繊維で、ボソボソつんつんしています、たとえばキノコや野菜なんかがこれにあたります。
水を含みながら消化管をつんつん刺激してくれます。

よりわかりやすく、図もいれてまとめてくれているサイトがこちら

犬も猫も年をとると、皮膚や見た目だけでなく腸の中も脱水気味になってしまうので、可溶性・不溶性両方を含んだごはんが便通をよくすることにとっても役立ちます。

この年寄り猫さんもまさにそれ、そして腎不全だとさらに脱水気味なので、一般的なシニアフードでは便の量が少ないうえ、腸の運動を刺激する効果も弱く、しかし消化はいいため食べ続けその結果便秘になってしまったようなのです。

いつものごはんは決してシニア用ではありませんでしたが、本当にこのコにあっていたごはんだったようです(でなければ21歳の長生きは難しいですね)。

ごはんと薬以外で猫のがんこな便秘を解消する方法

猫の便秘は決してめずらしい病気ではありません。

そのため、動物病院に行けば診断の上、さまざまな薬を処方してくれます。
整腸剤や、緩下剤、漢方薬やシロップ(内視鏡検査前にヒトに使う薬)など、獣医師とご相談のうえそのコにあったものを探してください。

しかし、その薬基本は徐々に効きが悪くなってきます。
どんなに年をとっていても、体は順応してしまう、つまりは慣れてしまうのですね。

そんなとき、おすすめしているのはマッサージ、とツボおし、です。

 

猫の便秘におすすめマッサージ

抱っこできる、おなかをみせてくれる猫には、おへそから初めて「の」の字をかくマッサージがおすすめです

こののの字は、腸の形にだいたいそったもので、この通りにやると腸の運動を助けることになります。何回とか回数はきまっていません、ご自身が便秘になった時を想像してやってみてください。

猫の便秘におすすめツボ押し

同僚の獣医師で鍼灸にくわしい人から教わり、けっこう効果ありです。

ハートマークの三カ所。

  • 搶風(そうふう)=前足の付け根あたり
  • 次髎(じりょう)=背中の中央よりやや尻尾よりの部分
  • 尾端(びたん)=尻尾の先端の部分

 

いきなりやると驚くので、優しく、猫が嫌がらない力でやってみてください。

余談ですが・・・先日患者さんからいただきましたこちら。






(私の足では失礼なので、モデルさんの画像です)

立ち仕事が多い我々獣医師の休憩時間を盛り上げてくれました!
靴下屋の派生ブランド?の Tabio のギフトセットのようです。
この靴下に書いてあるツボと犬猫とのツボの相対性は、すみません、わかりません。

猫の便秘はどのくらいで動物病院にいくべきか?

今回の飼い主さんは1週間目で来院されました。

その子の状態にもよりますが、便なら一週間が限度です。

とくに吐き気をともなっている場合は、早めの来院をおすすめします。

 

今回のお年寄り猫さんは、かっちかちになっていていた便を出し、納得された飼い主さんがご購入されたいつものごはんでいまのところ再発はありません。

獣医オオハシ
獣医オオハシ
ぜひもっと元気に長生きしてほしいです

本日は以上です。

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