暑さが少しやわらぎ、外にいられないほどの天気ではなくなってきましたね、でもお散歩お出かけの際は油断なさらず、水分を、しっかりとって熱中症予防を行ってください。
さて、そんな夏の終わりに吐き気が続くため検査のために内視鏡で胃から小腸を調べることにしていたワンちゃんの飼い主さんから、ご相談を受けました。
検査はどれもちゃんとしてはいるので、恐らくはより高度な詳細な検査という意味と思います。
よく検査で出てくる
- エコー
- レントゲン
- 内視鏡
- CT
- MRI
全て画像診断であり、病気の診断や治療に欠かせないものです。
でもなんとなく知っていてその検査をご自身が受けたことはあっても、その違いはわかりづらいかもしれません。
今回は、ざっくりとそれぞれの使い分けと、ペットちゃんがうける場合の注意点をあげてみます。
それぞれの原理とか、歴史とか機器についてはまた機会があれば書きますね。
エコー
胸やお腹にあてて、超音波のビームの跳ね返りでできる画像を診断します。
動いている臓器をそのままみることができるので、心臓や肺、腸などの動きがいいとか悪いとかも判断できます。
みられる範囲が狭い(あてているスティックの先端の面積ぶんだけ)ので、広い範囲を一度に見渡すことはできません。
また、骨をビームが通過できないので、頭の中や骨の中に守られた神経系は見づらくなってしまいます。
痛みや麻酔が必要ないので、動物の負担が少ない検査です。
レントゲン
画像診断の基本であり、放射線を当てて得られる画像でからだの中を一度にチェックすることができます。
骨や肉、内臓や水分それぞれの特性によって見え方が異なるので、その違いを利用して体の状態を診断します。
詳しくきれいな診断画像のため、興奮しやすいこや大型犬は、短い時間であれおとなしくしてもらうため鎮静剤が必要になることもあります(海外ではけっこう普通に使われます)。
内視鏡
口や鼻、耳や肛門、膣などいろいろな孔からいれてその先を観察、場合によっては検査のための採材や治療を行うカメラが先についた長い手(アーム)です。
安全のため、動物は全身麻酔が必要になります。
CT
レントゲンを様々な角度から撮りまくる検査、平面ではなく立体版です。
そのため被爆のリスクはあがりますが、短時間で体の構造がかなりすみずみまで詳しくわかります。造影剤をつかうことで、血管や腫瘍をみやすくすることが可能です。
基本的には全身麻酔、その動物のキャラクターや状態によっては鎮静剤または動かないよう周りをクッションなどで固定することもあります。
MRI
磁石どうしが反応しあう信号を使って画像を作るので、被爆のリスクはありません。
血管や神経をキレイに見せてくれるので、頭の検査には最適です。
かなりの騒音と狭いところへのつめこみ、そして長時間になるので、全身麻酔が必須です。
ざっと話しましたが、なんとなくイメージはつかめましたでしょうか?
ちなみに話をした順に、金額も高くなると思っていただいてよいと思います。
「検査のための麻酔」がみなさんどうしても気になるようで
とご相談を受けることもありますが、自分が追突事故にあったときMRIで首から頭まで撮られたときの苦痛が忘れられないので
と言えます。
そのこそのこの状態に最適な検査を、十分説明してもらい納得することが大切ですね(心配だから~と必要以上の検査を求めてこられる方も少なくないです)。かかりつけの獣医さんと十分相談しましょうね。
本日は以上です。