もろもろ雑談

犬や猫の目を守るために自宅でできること

こんにちは、眼科も診ている獣医師のオオハシオニコです。明日は10月10日目の愛護デーですね。

 

この日はそもそも失明予防の運動として視力保存デーが制定されたのが始まりとなる、なかなか深い歴史があります。「1010」を横に倒した形が人間の眉と目に見えることからこの日に制定されるのはとても有名な話ですね。

 

人は外界からの情報の約80%を目によって得ていると言われていますが、もちろん犬や猫にとっても大事であることは変わりはありません。

「犬は鼻が利くから見えなくてもだいじょうぶ」

「猫は耳がいいから目にはあまり頼っていない」

などの意見もあるようですが、そういっている方たちはおそらく白内障や緑内障で一時的に視力が落ちてしまった動物がまた見えるようになった時の変化を知らないのではないでしょうか。

獣医オオハシ
獣医オオハシ
はっきりと元気になりますよ

 

 

眼科に強い動物病院に勤務していることにより、毎日1、2件は必ず眼科の動物を診ています。今日も診察の最後の方で急激に眼圧が上がってしまったワンちゃんが来院され、視力を守るために一時的な目の圧力を下げるための緊急処置を行ったりもしました。

犬や猫も人と同じように視力が急激に落ちてしまう白内障や、目の圧力が上がってしまって痛みが出る緑内障、目の炎症を伴うぶどう膜炎そして徐々に視力が落ちてしまう網膜萎縮など実に様々な病気があります。

それぞれ原因はたくさんあるのですが、目をきちんと休ませ栄養をたっぷりあげることで眼の健康をバックアップすることができます。

手作り食実践中のかたならもちろん、おやつに食材を取り入れるとお手軽です。

 

目の健康に欠かせないビタミンa

ビタミンa は目とその周りの粘膜に非常に関係が深い栄養成分です。

 

目の乾燥を防いだり、目の中にある視神経の伝達にビタミンa が大きく関わっています。それが不足することで薄暗いところでよく見えない、涙が出にくい、そして目が乾燥してしまうなどという症状が出やすくなります(人で言う夜盲症ですね)。

 

これが多く含まれる食品といえば有名なのはうなぎやニンジンですが、その他にも卵やほうれん草チンゲン菜などの濃い野菜乳製品などにも多く含まれています。

よく知られているように脂溶性ビタミンなので油を使って料理すると体に吸収されやすくなります。

 

ビタミン B

ビタミン B 1や B 2が不足すると、目が充血したり炎症を起こしたりしてしまう症状が現れやすくなります。さまざまな刺激によるストレス緩和に欠かせないですね。

多く含まれる食品としては納豆や豚肉チーズなどが有名です(納豆が好きなワンちゃんは意外といたりするものです)。

 

ビタミンC

抗酸化物質として有名なビタミン C は、目の老化防止や白内障の予防などにも効果があると言われています。人と違い犬は体の中でビタミン C を合成することができますが、もちろんを外からとっても構いません。

ブロッコリーやピーマンに多く含まれている他、いかにもビタミン C が含まれていそうなキウイフルーツやイチゴ、みかんなども大好きなワンちゃんは多いですね。残念ながら猫ちゃんは柑橘類は苦手なようです。

 

ビタミンE

同じく抗酸化作用の強いビタミン E は活性酸素から体を守ったり皮膚や粘膜の老化を予防する働きがあります。人でも有名なのはアーモンドなどのナッツ類ですが、その他にもかぼちゃなどに多く含まれています。猫ちゃんも意外とかぼちゃの黄色い部分は甘くて好きだったりすることもありますよ。

 

 

あえてサプリがいい!というかたもたまにいらっしゃいます。

 

チキンとポークの味なのではじめてのこも食べやすいですね。

 

この他にも魚に多く含まれている DHA が目の疲労回復などに効果があると言われています。新鮮なお魚が手に入った時はワンちゃんや猫ちゃんも一緒に食べてみるといいですね。

 

その他お家でできるペットの目のケア

毎日眼の診察をして思うのですが、犬や猫が人と決定的に眼関連で違うことのひとつは、目の周りにも毛が生えているということです。

目の周りにたくさん毛が生えていると、涙や目やにがつくとそれに絡まり、だんだんかたまりそして取れづらくなってしまいます。そのものは目に触れていなくても、ペットがそれを気にして顔を擦ったりお布団やイスの脚に顔をこすってしまうことによって目を傷つけるということは非常によくある話です。

無理やりに引っ張って取るのではなく、化粧用のコットンなどをぬるま湯でひたし、それを優しく固まっているとこに載せ30秒ほど抑えます。そして柔らかくなったところを目の細かい櫛などで少しずつほぐして取ってあげるといいですよ。

 

個人的には、柄がついているほうがつかいやすく、またつなぎ目が少ないほうが清潔を保てるので好みです。

 

あまりにも絡まってしまっている場合は皮膚を切らないように気をつけてその部分だけカットしてしまうのもありです。毛が短くなってシルエットが変になってしまうことを嫌がる飼い主さんも多いですが、その子にとって害でしかない目やにをそのままにしておくぐらいならまだ短い方がすくなくとも健康は保たれるのではないでしょうか。

 

高齢や持病をもっていて顔周りに触ることが難しい(咬んでくる、興奮して具合が悪くなってしまう)動物には、少し厚めのタオルをぬるま湯で絞ったもので顔全体を包むようにしてあげるとおとなしく触らせてくれますよ(咬まれても多少ならタオル越しなのでだいじょうぶ)。

 

 

手作り食をされているような飼い主さんは、ペットの健康管理にもとても熱心で獣医師としても安心できる存在です。ぜひ御自身の顔を洗うようにワンちゃんねこちゃんの目の周りも綺麗にしてあげることを習慣づけてあげてくださいね。

 

 

本日は以上です。

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