オオハシオニコです。
本日未明から、関東でも雪の予報が出ていますね。ふだんお天気をとりあげないWBCワールドビジネスサテライトでもやってるくらい。
この辺りは年に 2、3回は雪が降りますが、そんな日に出勤だと、社会人はまず無事勤務地にたどり着くことが最重要事項ですよね。
獣医師ももちろん同じです。
当番がいるとはいえ入院している動物もいるし、早朝診察の予約も、手術もあるので、早起きして、早い電車を待ち、同じことを考えたであろう大集団にもまれ、ようやく病院に着いてみると…予定のこと以外はまず!ないのでとっても暇です。
とりあえず暇なので、駐車場の雪かきに精を出します。普通のと、くらべなければスコップなので重い~。大汗かいて雪かきを終わらせる頃には、全身筋肉痛、手先の震えが大変なことになってます(オペがあるのに) 。
そんな中、横を通っていくのは散歩中に犬と飼い主さん。
とっても楽しそう・・。
そこで、北海道の大学出身のためか冬になるとよくきかれる雪の日のお散歩についてお話します。
雪に埋まることもありそうだけど、犬の散歩っていいのかしら?
はい、関東の暖かさであれば、犬の体重でも雪の上にのったら絶対沈みます。場合によっては埋まってしまうこともあるでしょう。
首から下が埋まっているのは、ただ寒いだけなのであわてる必要はありませんが、首から上が見えなくなったら大変です。
人の雪崩による死因は、ほとんどが窒息か外傷です(時間が経てば低体温も加わります)。窒息がもっとも多く、その場合呼吸が停止していた時間が、救命できるか・後遺症を残さず回復するかどうかの決め手になります(救命されても、低酸素脳症のため植物状態になってしまう場合もあります)。
雪に埋まっていた時間が長いほど死亡率は高くなるので、埋まってしまったらできるだけ早く掘り出すことが必要です。人のデータではスイスにおける638名の雪崩遭難者で、雪崩により完全に埋まった場合の生存率は、18分以内に救出された場合は91%ですが、その後は急激に低下し、35分後で34%、130分後で7%です(Bruggerら、2001年)。
普通の10キロくらいの犬であれば、首まで埋まってしまうほど雪が降ることはあまりなくても、1,2キロしかない超小型犬ではやや注意が必要です。
雪の中の散歩って犬は喜ぶのかしら?
犬によります。
狂ったようにはしゃぎまわり、興奮してばくばく雪を食べまくる犬もいます。
パニックのあまり、石のようにまったく動けなくなる犬もいます。
何事もないよう、淡々といつもどおりお散歩する犬もいます。
雪の中の散歩は服を着せたほうがいいのかしら?
これも犬によりますが、雨に比べ雪が体につくことはあまり気にしないことが多いです。
特に毛の厚いハスキーやサモエド、柴犬などは小さな雪玉をぷるぷると上手に払っています。
毛の薄いこや寒がりのこは、カッパやコートを着せてあげるとお散歩がたのしくなるかもしれません。
どれにせよ、足はもちろん、お腹や背中も濡れてくるので帰宅されたらしっかり水分をふき取って乾かしてあげてくださいね。
雪が珍しいのかうちの犬とってもはしゃぐのだけど何か気を付けることはあるかしら?
雪で犬のテンションがあがり、慣れた道でも急に引っ張られて飼い主さんが転倒してしまったり、リードが外れてしまい犬が逃げてしまい事故にあってしまうことがあります。
また、いつもはきちんと便の始末をしているので雪で隠れるから・・・とそのままにしてしまうことがあるようです。雪はすぐに解けますよー。
せっかくのめずらしい機会、楽しむためにもしっかり準備をしてからお出かけしてくださいね。
雪が降る予報、外で飼っているうちの犬はどうしたらいいかしら?
最近は減りましたが、まだ犬を外で飼っているお宅もありますね。
犬小屋があるようなら、そこにちゃんと入れるようにして毛布など寒さをしのげるものをいれておく。
もしあっても雪が降りこんだり、雪をしのげるところがないようなら玄関にいれておいてあげるのがおすすめです。
ちなみに、豪雪地帯の外飼いの犬は、犬小屋がつぶれないよう犬小屋のまわりを雪かきしてもらい、高く積もった雪のうえから犬小屋までおりられる坂道を自分で作っていました(犬小屋にもぐっていく感じ)。
どんなときでも来院される飼い主さんはいらっしゃるもので、
- 今なら空いてる!とワクチンに来る飼い主さん
- 毎週の習慣を守って鍼に来る飼い主さん
- どーしてもお腹を壊してるのでやって来たけど帰りのタクシーがつかまらなくて待合い室で待ちぼうけの飼い主さん
- 予約したから!と去勢手術につれてくる飼い主さん
徒歩で、自転車をひいて、車でゆーっくり、意外とみなさん頑張って来てくださるのでした。
本日は以上です。