気温が急に下がり、おまけに雨と体調を崩す条件が整ってしまった本日天気の割には、来院数も多かった一日でした。
さて、そんな季節の変化とは無関係に、ただいま病院ではデンタルケアキャンペーンを行っています。
私が獣医師になった15年前よりは明らかに、犬も猫も飼い主さんの歯に関する関心が非常に高くなっているのを感じます。また、ペットのデンタルグッズも昔よりはるかに種類が増え、病院で取り扱う種類もとても多くなりました。
以前は決してきかれることのなかったけど今はよくきかれる質問の一つに
があります。
結論から言いますと
こんな手作り手作り言っている獣医師である私ですが、普通の動物病院で副院長してるので、診察にみる飼い主さんの中で手作りを実際に行なっている方は、おそらく10人に一人もいらっしゃいません。
つまり10人中ほぼ10人全員が、手作りではないいわゆるペットフードを食べている、いうことです。
けれど10人中ほぼ10人と言えるぐらい実はペットの歯のトラブルは多いです。
ほぼ全員がペットフードを食べていてもほぼ全員が歯にトラブルを抱えている、つまり手作り食であろうとなかろうと、歯のトラブルはあるものなので歯のを守るために手作り食を諦める必要は決してありません。
個人的には、むしろ手作り食をやってみようなんていう飼い主さんは、かなり意識の高い愛情深い飼い主さんが多いため、デンタルケアにも多く関心をもってらっしゃいますから、ちゃんとデンタルケアができているような気がします。
犬や猫の歯を守るために必要なものは以下の2つだけです。
- 歯の汚れを取る物理的な刺激
- 歯に汚れを付きにくくする物理的な保護
歯の汚れを取る物理的な刺激
なんだかこ難しく聞こえますが、つまりが何かを噛んだり何かで擦ったりすることで、歯の表面の刺激による汚れの付着を防ぐということです。
具体的にもちろんあげられるのは歯ブラシによる歯みがきです。
しかし歯ブラシに限らず繊維質の多いおもちゃ(ロープとかタオル素材とか)を常にかじっていたり、習慣として水を非常によく飲み歯肉汚れを残さないようにしている犬や猫の歯はとても綺麗です。
反対に水をあまり飲まず、おもちゃで遊ぶこともなく、飼い主にはおやつをねだるだけというようなペットちゃんは非常に歯が悪くなりやすいのです。
歯の汚れを付きにくくする物理的な保護
いわゆる歯みがき粉やサプリメントなどのことを指します。
人はやかなクリアミントやらフレッシュハーブやらの香りを歯磨き粉は使っていますが、犬や猫の場合は心がときめく香りといえばお花よりもごはん系です。
ペット用の歯磨きのフレーバーはチキンペーストやらシーフードやらチーズやらなかなか爽やかではない、むしろこってりな香りが詰まっています。
大抵の歯磨き粉はその後にぶくぶくぺっと吐きだすことは想定されておらず、歯磨き粉は犬や猫が食べてしまうことが大丈夫な素材でできています。
一つ注意をしなければいけないのは歯磨き粉に含まれている可能性のある、ポリリン酸ナトリウムです。
ポリリン酸ナトリウムは加工食品の添加剤としてもよく使われている法律で使用が認められている安全な食品添加物です。
しかし「ポリリン酸」というぐらいなので、リンが含まれております。
腎臓が悪い、腎臓が機能不全によってリンの制限をしているような子にポリリン酸ナトリウムを豊富に含んだ歯磨き粉を毎日毎日口の中に入れて食べてしまうというのはあまり良いことではないかもしれません。
歯磨き粉を選ぶ際は獣医師に確認してみましょう。
また口の中で口腔内の細菌に働きかけたり、物理的に発泡させることで口の汚れを防ぐというサプリメントもあったりします。
唾液の質を変えたり歯をコーティングしたり効果は様々です。
手作りであろうとなかろうと普段尾デンタルケアは大切です。
是非ご自身のワンちゃんやネコちゃんにあったものを試してみてはいかがでしょうか?
何もやらないより、小さいことでもなにかやって続けることが必要です。
本日は以上です。