9月の連休第二弾、本日もたくさんの患者さんに飼い主さんご来院いただきました。
みなさん遊びに行ったりしなくていいのかな?と変に心配してしまうオオハシオニコオオハシオニコです。
さて、季節の変わりめはヒトでも眠りたいのに眠れない…と不眠に悩む方が多いようですが、動物も同じようなことが起こることがあります。
日照時間が急激に変化する(日が長くなったり、短くなったり)ことで、ホルモンバランスが崩れやすくなることに原因があるとかないとか言われていますが、生活習慣の乱れが大きく関係しているように思えます。
つまり、好きな時間に寝て好きな時間に起きて、好きな時間に食べるような、ペット任せの生活が昼夜逆転や生活不活発の原因になりがちなのです。
改善する方法はいろいろありますが、今回はその中から手作り食に取り入れられる、栄養面でのケアをお話します。
規則正しく、そしてバランス良く食べる
生活のリズムは体内時計を整え、バランスの良い食事によって睡眠に必要なホルモンの材料を体に取り入れることができます。
栄養素である、ビタミン・ミネラル・タンパク質は質の良い睡眠に欠かせません。
ビタミンは野菜や果物、タンパク質は肉、魚、卵、大豆、乳製品に豊富に含まれ、ミネラルもこれらの食材に含まれます。このなかで特に睡眠に関係するとされているのがタンパク質をつくっている成分であるアミノ酸です。
そのなかでもヒトで特に睡眠のために食べておきたいと言われているアミノ酸が次の3つです。
グリシン
グリシンによって末梢の血流が増加して、体にこもった熱を放散させてを促すことで、深部体温が低下し、スムーズに眠りに入りやすく、睡眠の質を向上させると考えられています。これは、特に、イカ・エビ・カニなどに多く含まれていて、うまみ成分にもなっています。
トリプトファン
トリプトファンを上手に摂取すると、睡眠に関係するセロトニンやメラトニンの分泌を高めます。比較的トリプトファンはタンパク質の多い食品にたくさん含まれています。肉や魚はもちろん、豆腐や納豆などの大豆製品、牛乳やチーズなどの乳製品、ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類、バナナなどです。
ギャバ
ギャバ(ガンマ-アミノ酪酸)はアミノ酸の一種です。脳や脊髄にある神経伝達物質であり、興奮を抑えて、脳をリラックスさせる作用があります。また、不安を緩和する作用もあるため、ギャバに注目して、つくられている特定保健用食品なども販売されています。
トマトやキュウリ、カボチャやじゃがいもなど気軽に取り入れやすい食材に多く含まれていますね。
もちろん、何か一つの栄養素を多く取ればよいという訳ではなく、バランスが大切です。
つまり、睡眠にとって大切な栄養素を取るためには、「片寄りなく、なんでも食べる」ことが重要で、「偏らない食事」により、必要な栄養素もおのずと取ることができます。
例えば、睡眠ホルモンのメラトニンの材料であるトリプトファンだけを多く取っても、トリプトファンが脳に運ばれたり、トリプトファンからメラトニンが合成されたりするためには他の栄養素が必須であり、それらが不足していては、メラトニンの合成はうまく進みません。
夕食は眠る2〜3時間前には終える
眠る2〜3時間前には、夜ご飯をあたえるようにしましょう。
眠る1〜2時間前は、成長ホルモンとメラトニンの分泌がともに最も多くなり、この時に満腹すぎず空腹すぎない状態を作ることが睡眠にとって最適と言われています。
ごはんの時間が早すぎると、眠っているとちゅうでおなかが空いて寝付きが悪くなり、眠りも浅くなってしまいます。
一方、遅くなりすぎると、胃や腸が活発に活動したり、胃の中に食べ物が残っていたりして、交感神経を刺激してしまうため、睡眠が妨害されてしまいます。当たり前ですが夜はエネルギー消費量が少ないので、夜の食事量が多いと、日中で同じ量を食べた場合よりも肥満につながりやすくなりますよ。
空腹すぎると吐く、寝る前にも何かを欲しがるこには
とはいうものの、最近のペットちゃん(特に犬)には、空腹が続くと夜中に吐いてしまい眠れなくなるこが多くなっています。
また、猫では一度にたくさん食べるとその直後に吐き戻してしまうこもいます。
そんなこは寝る3時間前の夜ごはんでは朝まで持たず、かえって夜中に大騒ぎになってしまうかもしれません。
そんな場合は、いったん早めの時間に夜ごはんをあたえ、寝る1時間~30分前に、スープやおかゆなど液状の軽いものを与えることがおすすめです。
そのこそのこに合ったやり方で、そのこにもご家族にも快適な睡眠をとることができるといいですね。
本日は以上です。