前の投稿で、犬猫の手作り食の必要性とメリットさらにはデメリットを整理しました。
これだけ読むと
と混乱しちゃいそうですよね。
大丈夫です、というのも自分、普段の診察でもセミナーでも、具体的なことなことを言わないでぼやっと終わることはありません。どちらかというとそういう感じの雰囲気が漂い始めると(とにかく愛情、とかほかのこに問題出てないので大丈夫、とかそういうの)
と静かに消えるタイプです。
そういうわけで、自分で書いた前回の手作り食のデメリットを解決する方法を自ら解説しいたします。ぜひ最後までついてきてくださいね。
栄養バランスが崩れやすい の解決策
栄養設計済みレシピを使う
早い話「総合栄養食として成立するように設計されたレシピ」だけを使うということです。
具体的には、BalanceITのように、自分のペットに必要な栄養素を、データとして獣医栄養学に基づいたレシピや利用します。
「○○(青のり、とか?)を混ぜるだけ」「なんとなく良さそう」なもの論外です。
カルシウム・ビタミン・微量元素は必ず補う
肉+野菜だけでは絶対に足りない栄養素があります。これらはそのへんで普通にかえてムリなく食べられる量で補うのはいろいろな意味で(まずい、多すぎる、高いなど)難しいので、サプリやフードで補完することを前提にします。
猫は「完全肉食動物」として別枠で考える
タウリン・ビタミンA・アラキドン酸など、猫が必要とする栄養素にきちんと着目します。猫は小さな犬ではない、もちろん人でもないのですから。
レシピからの逸脱の解決策
ルールを最初に決める
つねに同じ状態の食材を調達するのは一般市民には困難なので、できる範囲でがんばりましょう。
- 材料を変えない
- 分量を変えない
- 調理法を変えない
- サプリを省略しない
毎回きちんと量る
「目分量」はなかなかおそろしいものです。面倒でもこれを禁止して、とりあえず量ることを習慣化しましょう。
月1回は“レシピを見直す”日を作る
印刷して冷蔵庫に貼っておく、スマホに残しておくなど、レシピを“記憶”ではなく“確認”する日を決めておくと、いつの間にかずれていたのを早めに修正できます。
時間と労力がかかるの解決策
まとめて作る前提にする
よくあるやり方ですが、まとめて作って作り置きするという方法ですね。冷凍も利用すれば、1回の調理で数日分〜1週間分は作れるはずです。
ワンパン、炊飯器調理レシピで工程を減らす
人でも流行っているワンパンパスタ、とか炊飯器で作るおかず&ごはんは一度やると驚くほど楽なことも。
完全手作りではなく“部分手作り”から始める
単純に、できる日だけやる、というやり方です。労力を抑えつつ、メリットだけ取り入れるという初心者さんにはおすすめの方法です。
コストが高くなりやすいの解決策
目標ラインを決める
いくらでもかけようと思えばかけられてしまうのが食材です。最初に自分なりのライン、たとえば「療法食より高くしない」など決めておくと、判断に迷わずに済みます。
– 肉の種類を見直す(高級肉→鶏むね・もも・レバーなど)
– 冷凍まとめ買いで単価を下げる
完全手作りではなく“ハイブリッド方式”にする
さきほどの手間を省く方法と似ていますが、こちらはコスト重視なので、必要カロリーの半分を手作り食にし、残りは市販総合栄養食にするという方法で価格安定を狙います。
栄養相談は「最初に一度しっかり」受ける
継続して毎月、とかトラブルが起きた時などの相談ではなく、最初に1回数パターンのレシピ設計を依頼して、その後はそれを継続するということで、できるだけコストを抑えられます。
安全性(衛生管理・腐敗・細菌)の解決策
「人の幼児」と同じ衛生基準を自分に課す
- ミルクや離乳食を作りレベルで調理器具は毎回洗浄・乾燥する
- 生肉を触ったらすぐ手洗いする
- 調理台のこまめな消毒を習慣にする
手作り食の保存ルールを決めておく
例えば
- 冷蔵:3日以内
- 冷凍:2週間以内
- 再加熱:中心まで熱くなっているか確認する
などです
生食は“原則やらない”か、“信頼できる店で購入した場合のみ”にする
生のメリットはもちろんありますが、デメリットのほうが大きいことが多いので、気になる方はここまでやってみてください。
誤った食材を使うリスクの解決策
一般的な「NG食材リスト」を目に付くところに貼る
こちらよかったらご参考までに(自分が監修した記事です)。
ちなみにこのNG食材だけ扱った講座もたま~に開催しています。
新しい食材を使う前に必ず調べる
犬または猫+食材名で調べてから使いましょう。
猫さんはこちらの記事が読みやすいです。
継続が難しいの解決策
「一生続ける」ではなく「まずこの期間だけ」と区切る
いきなり一生分を背負われる方も少ないとは思いますが、試験期間として一定期間やってみる気持ちで十分です。
完全手作りではなく“目的限定の手作り”にする
例えば
- 食欲が落ちたときの“起爆剤”
- 好き嫌いが激しい子の“最初の一口”
- アレルギー・IBDの子の“安全食材リスト作り”
などのように手作り食に期待することを限定すると、やる意味がはっきりするので、続きます。
手作り食は「愛情」だけでは成立しない
サザエさんのころのように、犬はつながれて犬小屋に、猫は自由に出入りして屋根で昼寝する、というスタイルのペットはかなり珍しくなりました。そんな生活スタイルの変化に合わせ出てくる悩みを解決するために、手作り食が必要となる場面は実際増えています。
だからこそ、手作り食の正しい情報を知って、ある程度準備をしてから始めていただくことで、 手作り食の良さが引き出せます。
手作り食は、飼い主さんの愛情が形になった選択肢です。しかし、どんなに愛情をもっていたとしても 犬は犬、猫は猫、ヒトとは身体の仕組みや機能が異なるためオリジナルの栄養学があり、病気がある場合はさらに難しくなります。
あまりに軽く考えすぎると、そのときは喜んで食べてくれたとしてもその後トラブルにつながることもあるのが犬猫の手作り食です。本当に愛情をもっているのなら、その場の勢いでやってみるのでなく、 最低限正しい知識と計画をもって、まずは小さく始めていきましょう。
最期に…いろいろ書きましたが、実は自分がお話している手作り食は総合栄養食にとって代わるレシピを教えているわけではありません(がっかりしました?)。そういう完全食をお家で作ろう!の講座ではないのです。
ではだめじゃん!ということかというとそうでもありません、だってみなさんが小さいころから食べてきた家庭料理は完全食ですか?
もしかしたら、そういうすごいご家庭もあるのかもしれませんが、少なくとも我が家は違いました。でも大病せずありがたいことに長生きの家系なのか祖父母は90代で天へ召されるその日まで、いまの時代珍しく自宅で生活しておりました。





