ペットフード

エネルギーとバランスのお話

オオハシオニコです。

 

先日2級講座をやっていてしみじみ思ったのですが、どうしてもごはんに迷子になっていると大事なことを見失いがちです。

具体的にはペットちゃんの「エネルギー」と「バランス」の関係のことです。

 

 

よくあるシチュエーションとして、何らかの事情でもうあまり先が長くないペットちゃんがいます。そしてその飼い主さんはどうにかそのこのためになることをしてあげたいと思っています。

ある日なんとか食べていくれていた療法食を食べてくれなくなりました。

飼い主さん
飼い主さん
ずっと食欲がありません!

獣医オオハシ
獣医オオハシ
ではそれ以外のごはんはどうですか?おやつはほしがりませんか?

飼い主さん
飼い主さん
すごく欲しそうにしています!

獣医オオハシ
獣医オオハシ
ではそのごはんをあげてみましょうか

飼い主さん
飼い主さん
でも栄養バランスがくずれてしまいませんか???

何日も食べていないペットがようやく食べてくれるものがある、でも栄養バランスがくずれるのが気になってあげられない…意外とよくある話です。

 

ではちょっと視点を変えてみましょう。

車の調子が悪いです、考えてみればずっとエンジンオイルを変えていません、もしかしたらすっごく汚れていてエンジンの調子が悪いのかもしれません。次にガソリンスタンドに行ったら交換しよう!

ところがいざ行ってみたらお財布を忘れてしまいました、手持ちのお金は少なく、ガソリンを入れるかエンジンオイルを変えるかどちらかしかできません。ガソリンは残りわずか、無理をすればガス欠するかもしれません・・・。

さて、とりあえずこの場であなたはガソリンを入れますか、エンジンオイルを変えますか?

確かにエンジンが焼き付いてしまえば車は壊れてしまいますので、早めの交換が必要です。しかし、その前にガソリンが切れてしまったら車はまったく動きません。やはりおとなしくガソリンを入れ、お財布を取りに行ってエンジンオイルを交換するのがベストではないでしょうか。

 

ペットにしても、まずはカロリー確保して最低限のエネルギーを得て、それからバランスを気にすることが必要です。そもそもほとんど食べていなければ、制限するもなにもありません(むしろ追加しなければいけない可能性があります)。

 

 

 
シリンジやスポイトで、ちょっとずつでも飲んでくれるとうれしいですよね。

 

療法食は治療のひとつであって、その病気を治したり改善する手助けとしては有効です。しかし、それを食べなければその病気の治療はできない、ということはありません。

栄養バランスを気にするあまり、せっかくの食欲を制限しすぎないよう注意が必要ですね。

 

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