ペットフード

てんかん発作とごはん

台風が近いので、暑くてムシムシしてて、でも風が急にふく…みなさん、お散歩の際はいろいろ気をつけてほしいものです。

台風が近づいてくると、心配になってくるのが「てんかん」治療中の動物のことです。

わりと最近の論文で、てんかん発作のきっかけになるデータは次のように発表されています。

特発性てんかんの犬では発作誘発因子は一般的に認められ、特に発作が認められやすい状況はストレスに関連した状況、睡眠不足、天候およびホルモン要因であり、ヒトと同様であることが明らかになったと報告している。臨床的には、特発性てんかんを診断した際には、発作誘発因子を考慮することでより良い治療結果が得られるだろうと述べている。

個人的には、天気が悪い日が続く(低気圧にが停滞)とか、台風が通過する(気圧の変化が激しい)とかは要注意で、てんかんの治療に使う薬がじゅうぶんにあるかチェックしたりします(大型犬のてんかんがきても大丈夫にしておかないと)。

ちなみにこれを読んでいる方はご存知のかたも多いかもしれませんが、てんかんとは神経の情報伝達のどこかに異常が起きてしまい、自分の意志とは関係なく起きてしまう異常行動です。
そして、情報伝達の中心である脳に、物理的な異常(小さい、大きい、または腫瘍など)がなく原因が不明なものをとくに「特発性てんかん」といい、一般的なてんかんとはこれのことを言っています。

てんかん用のごはんがある

小動物臨床の世界では、国内はもちろん世界的にも治療の基本は「抗てんかん薬」、お薬を飲むことによる内科治療です。
薬を組み合わせてもてんかん発作の改善がない、どうしても飲ませられない、抗てんかん薬が体に合わないなど、別の治療が、必要となってくるとき最近「犬のてんかん用のごはん」が発売されています。

もともとヒトでは治療のひとつ

犬ではフードとしててんかん用のごはんが発売されたのは最近ですが、もともとヒトではてんかんの治療として食事療法はあげられています。
医学の進歩によって命が助かる反面増加している未熟児の乳児期てんかんには不適応のようですが、普通に食事をとれる年齢になると選択肢のひとつとしてあげられることもあるようです。

てんかん療法にはケトン食

てんかんの治療食は、脳の栄養を糖分(グルコース)中心から脂質(ケトン体)に変えていくことで、発作の伝達に変化が起きるため改善が見込める…可能性があります。
つまりが、少し前から流行っている糖質制限食の脂質をさらに選んだ食事療法です。

獣医神経病学会でブースを訪問

先日都内で開催された、獣医神経病学会に参加したところ、会場の中心に「唯一の特発性てんかんの療法食 NC ニューロケア」ブースが出ていました。
時間もあったので、担当者と名刺交換後さっそくプチセミナーしてもらいました。
こちらの質問に三人がかりでお応えいただき、とってもお世話になりました。

院内でのセミナー報告に追加してフード説明を入れるため、資料もしっかりいただきブースをあとにしました。

試してみたい方は取り扱いのある動物病院へ

現在のところ、ネットで買えない療法食はおそらくないでしょう。
獣医師専売であっても、ネットに出店している動物病院があるからです。
また大手企業動物病院には獣医師が常在していることになっているので、いつでも療法食が購入できる状態です。

治療のひとつである療法食を飼い主さんが自己判断で購入できてしまうこんな危険な状態に、各メーカーも対策を始めており、このニューロケアもそのひとつです。

試してみたい方はネットをさまようより、取り扱いのある動物病院に行かれることをおすすめします。

嗜好性はたかく、 おいしいチキン味。

いまのところ1kgと小さいサイズしかないので、中~大型犬は対象から外れているようです。

価格は普通の処方食並み~ちょっと高めかなと思います。

ですので

  • 10kg以下の小型犬
  • あまり食いしん坊でない
  • てんかん治療中
  • 認知症治療中
  • フードがお高めでも効果が期待できることを優先する飼い主さん

がおすすめのごはんです。

 

手づくりで取り入れるなら

ニューロケアやケトン食のポイントになる脂質、それは中鎖脂肪酸 Medium Chain Triglcerides です。
MCTオイルとして、流行っていますね。

身近な食材には残念ながらあまり存在がなく、ココナッツオイルに約60%、牛乳に約8%ほどは含まれています。
効果を期待するのならば、手づくりしていることにに使う油をココナッツオイルにしたり、パウダー状になっているMCTオイルをごはんに振りかけてみるといいですね。

 

基本は抗てんかん薬による内科治療

上にも書いたように、てんかん治療の基本はお薬です。
抗てんかん薬を、決められた量、決められた時間できちんと飲ませることが動物にとって必要です。
動物のてんかん治療、一般的には薬は一生続けて、3カ月に1回程度の発作でコントロールするわけですが、その薬の量を少しでも減らしたい、少しでも発作を楽にしてあげたいという飼い主さん、食事療法もひとつの選択肢としていかがでしょうか?

脂質の急なとりすぎは膵炎や肝不全、胃腸炎の原因です。
取り入れる際は必ずかかりつけの獣医師にご相談してくださいね。

本日は以上です。

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